人生 楽しんでなんぼ
〜自分の直感を信じて 迷った時は楽しい方〜
奈良県出身。大学卒業後、東京の大手外資系IT企業で勤務する中、働く意味がわからなくなり、半年休職して世界一周の旅へ出る。途上国中心に30カ国を回り人々の笑顔に魅了され自分探しの旅を終え帰国後退社。その直後3.11東日本大震災支援活動を体験。東北の方々の温かいお人柄に癒される。この2つが大きな契機となり「やりたいことをしよう」と行動開始。子どもが自由に伸びやかに過ごせる場所創りを目標に大阪で小学校とオルタナティブスクール勤務を経て、2014年油谷島に移住。「ゆるく楽しくおもしろく」をテーマに「かえるのがっこう」を立ち上げる。

世界一周と東北支援活動からやりたいことが見えてきた
世界一周の旅は、働く意味、生きる意味がわからなくなって自分が何をやりたいのか考える旅でした。東北支援活動は、帰国後退職した直後、東日本大震災が起きて「しばらく自分の人生はどうでもいい。自分にできることをしよう」と被災地に飛び込みました。この二つの経験から、自分は「大好きな子供達を笑顔にできる仕事」がしたいことがわかりました。

自分のやりたい理想のフリースクールを自分で創る
大阪の「オルタナティブスクール(子供の探求心に基づいて自律的・主体的な学びができるようカリキュラムが組まれた学校)」に勤務しはじめました。そこでカリキュラムのないフリースクールがしたい自分に気づいた堀之内さんは「自然に溢れたところで、子供達が自由にワクワクのびのび育つ場所を小さくても始めよう。」と起業を決意。理想実現の場を求めて、2014年関西から向津具半島の油谷島に移住。

人のご縁にありがとう 〜人が人を呼ぶ〜
2014年友人に誘われ訪れた百姓庵で「日本全国、いいところはきっといくらでもあると思うけど、この油谷島に来たのは縁だと思い、移住を決めました。」
移住3ヶ月後、「かえるのがっこう」を開校。向津具半島の先の先。交通アクセスが悪い上に、宣伝の術もわからず、最初は人が集まらずアルバイトしながらのスタートでした。人に相談しに行ったり、チラシを作ってお店に置いてもらったり、小学校に配らせてもらったり。思いつくアイデアはなんでもやりました。その後、一度参加した子供達が、友達を誘って口コミで自然に人が人を呼んでくれました。本当にありがたい限りです。少しずつファンを増やしながら3年が経ち「かえるのがっこう」で自立する第1の目標までたどり着きました。
『またいつか』じゃなくて『また明日』
「かえるのがっこう」は現在、週末に自然体験の場を提供する単発の宿泊キャンプと、月1回の年間の日帰りキャンプクラスで運営されています。年間クラスに通う子ども達は、回を重ねるごとに何かしらの成長が感じられ、着実にこの場に馴染んでいっているんだと思います。「かえるのがっこう」は自由ですが、ルールもあり、山で気をつけなきゃいけないこと、掃除を楽める感覚が身に付いたりします。これが月1回から週1回に、そしてフリースクールとして毎日になったら、どれだけ一緒に成長していけるんだろうって、想像しただけでワクワクします。まだ、当初の目的のフリースクール開校にまでたどり着いていませんが、確実に目標に向かって前進できていることを感じています。毎日通うフリースクールが開校できたら、子ども達が帰る時『またいつか』から『また明日』と言えるのがめちゃくちゃ楽しみです。


「かえる村」へ向けて、次なるステップに一歩を踏み出す
2018年、森のようちえん「かえるえん」を開園。自然保育を柱にしたこの「かえるえん」では、かえるのがっこう同様、特にカリキュラムは設けず、子ども一人一人が思い思いに自然の中で遊べる環境を提供。毎日開園することを目標に平日週1日(毎週水曜)からスタートします。『かえるえん』の先にフリースクールの開校や、カフェやゲストハウスの開設、それら全体を『かえる村』にしたい。色々な構想があります。
かえるのがっこうの『かえる』に色々な意味や思いを込めて
自然や故郷に『帰る』、初心に『返る』、自分に『還る』、誕生する『(卵が)孵る』の意味もあります。小さい子にとっては、ケロケロの『蛙』かもしれません。何よりこの場所が関わってくださる方々の『かえれる』場所で在れる様に。そんな場所づくりをこれからもしていきます。
”かえるのがっこうの代表”を改め自らを村長と呼びます。
村長という「とにかくこの響きが好きなんです。なんで学校なのに、校長じゃないんだ!とよく子供達に言われますが『かえる村』ができたら、名実共に村長になるからと言ってます。フリースクールができた暁には、子供達にとって「なんかよく知らんけど、いつもいるオモロイおっちゃん」そんな存在になりたいです。
移住者からアドバイス! 移住するなら、自分で決める覚悟が大事です。
人生は楽しんでなんぼ、自分の直感に従って進む。やりたいと思ったことを自分で決めて行動に移すことが大事です。そして行動の責任をとる覚悟も大事ですね。進学だったり就職だったり、はたまた、その日の買い物の行き先だったり、買う品物だったり。人生は何をするにも自分で選択して、自分で決めて、行動に移す。その繰り返しです。だから「かえるのがっこう」ではその日、何をするか子ども達が自分で決めます。思った通りになっても、ならなくても、そこから、また何をどうするか決めます。人生も「かえるのがっこう」も一緒です。
「覚悟」が決まった時にいろんなことが少しづつうまく回り始めました。
最初は軽いノリでも、自分で決めたことは何としてもやり遂げる。移住にしても何にしても、覚悟は絶対に必要です。へこたれそうになったことは何度もあったし、現実逃避なんて今まで何回したか(笑)。自分でやると決めてしまえば、大変かどうかは大きな問題じゃなくなります。
移住者氏名:堀之内 健(ほりのうち けん)
2011年2月 世界一周の旅から帰国し東京のIT企業を退職
2011年3月 東日本大震災の被災地で支援活動
2012年 大阪のオルタナティブスクールに勤務
2012年11月 「あなたを見て直感で詩を贈ります」と路上詩人活動を開始
2013年6月 友人の紹介で向津具の油谷島に訪れ始める
2014年4月 油谷島に移住
2014年7月 自然学校「かえるのがっこう」を開校
2018年4月 森のようちえん「かえるえん」を開園予定
家賃:1千円/月